LPガスとは
LPガスは石油ガスを液化したもので、正確には液化石油ガス(Liquefied Petroleum Gas)といい、その頭文字をとってLPG(LPガス)と呼ばれています。また、家庭用のLPガスはプロパンが主成分のためプロパンガスとも呼ばれています。
他にも、ブタンが主成分のもので主に工業用の燃料・都市ガス用の原料として使われているブタンガスや、ブタンガスにプロパンガスを混ぜたものでタクシーなどの自動車用燃料として使われているオートガスなど、一般的にはこれらのガスを総称してLPガスと呼んでいます。
LPガスの性質
・空気より重い
LPガスは空気の約1.5倍の重さがあり、漏れると低いところや物かげにたまる性質があります。
万が一ガスが漏れた際は、特に下方の風通しを良くし、ガスを屋外に出すようにしてください。
・無色無臭
LPガスは本来無色無臭ですが、ガス漏れを発見しやすいようにわざとタマネギの腐ったような臭いをつけてあります。この臭いの成分は燃えると無臭になるため、LPガスが正しく使われている限り臭うことはありません。もしもガス臭いと感じたらすぐにご連絡ください。
※ガス容器の残量が少なくなると使用後にガスの臭いがする場合 があります。念の為点検にお伺いしますのでご連絡ください。
・燃焼するにはたくさんの空気が必要
LPガスが燃焼するためには、大量の空気(酸素)が必要です。
室内でガスを使用するときは、充分に換気をしてください。
・簡単に液化させることができる
気体のLPガスは、冷却と加圧により簡単に液化します。
ボンベには液化した状態でLPガスが入っています。
※近くで焚き火などをするとボンベが高温になり圧力が上昇するため、安全弁が作動して空気中にLPガスを放出することがあります。
※液体のLPガスに触れると凍傷になることがあります。
LPガス周辺設備
LPガスをいつも安心・快適にお使いいただくために、LPガスおよびガス機器などについて正しいご理解をいただくことが大切です。また、ガス機器の性能、正しい使用方法、お手入れの方法、保管方法などは取扱説明書や警告表示などをご確認の上、正しくご使用ください。
⇒供給設備とは
容器からマイコンメーターまでは供給設備と呼ばれ、
この部分は当社が責任をもって安全管理します。
⇒消費設備とは
マイコンメーターの出口からガス機器まで(マイコンメーターがない場合は容器からガス機器まで)は消費設備と呼ばれ、法律上の管理責任はお客様にあります。
(1)マイコンメーター
お客さま宅に設置しているマイコンメーターは、ガスを計量する機能の他にさまざまな安全機能が内蔵されており、ガスの流れを常に監視し、異常があった時やいざという時に安全装置が働いて、ガスを自動的にストップします。
(2)ガスボンベ
当社で残量を管理し、定期的にお客さま宅へ交換にお伺いします。
(3)調整器
ガスの圧力を調整する装置です。
(4)ガス放出防止型張圧式高圧ホース
地震、落雪等やその他の要因で容器が転倒し、高圧ホースに所定以上の張力が加わった場合に容器のバルブ部分から外部へガスの放出を防止する装置です。
(5)ガス警報器
ガス漏れなどを検知してブザーでお知らせします。
(6)ガスコンロ
最新のガスコンロは全てのバーナーに「安心センサー」を搭載しています。
「Siセンサーコンロ」といい、異常時には安全機能が働いて、運転を停止します。
(7)ガス栓
ゴム管が外れたり、多量のガスが流れるとガス栓のヒューズが出口を塞ぎ、万が一のガス漏れを防ぎます。
(8)ガスコード
ホースの内側を補強しているので、切れにくく丈夫です。
踏んでもガスは止まりません。
(9)ファンヒーター
不完全燃焼を起こす前にガスを自動的に止める「不完全燃焼防止装置」や、機器が転倒するとガスを止めて運転を停止する「転倒時ガス遮断装置」など安心機能を搭載しています。
(10)屋外設置型給湯機器
機器を屋外に設置することにより、給排気の安全性がより高まります。
(11)フレキシブル管
柔軟性にすぐれています。
(12)ポリエチレン管
腐食、曲げに強く、ガス漏れを防ぎます。
LPガスのメリット
・人と環境にやさしい
LPガスは化石エネルギー(石油・石炭・天然ガス・LPガス)の中でも天然ガスとともに地球温暖化の原因とされる二酸化炭素の排出量が少なく、燃焼時に発生する排気ガスは人体に有害な物質をほとんど含みません。地球温暖化をはじめ、さまざまな環境問題に貢献するクリーンなエネルギーとして注目されています。また、LPガスは体積あたりの総発熱量が天然ガスに比べるとプロパンは約2.5倍、ブタンは約3.3倍と非常に高く、環境によいことと併せハイパワーで高品質なガス体エネルギーです。
・持ち運びに優れ利便性が高い
LPガスは低い圧力で容易に液体にすることができます。
液体時の体積は気体時の体積の約250分の1になるので、LPガス容器に充てんして一般家庭や商業施設、工場などにエネルギーを効率良く運搬できます。どこにでも運ぶことができるため、離島や山間部等での重要なエネルギー源として利用されています。
LPガスは産油国からタンカーによって大量かつ経済的、そして安全に運搬されます。日本と産油国の間では、エネルギーの安定供給を目的に長期輸入契約が結ばれ、さらに計画的な備蓄体制が義務づけられているため、産油国での紛争など有事の際にも安心してLPガスをご利用いただけます。
・自然災害に強い
LPガス専用容器で各家ごとに供給するため、災害が発生した場合でも安全が確認できれば早期に復旧させることが可能です。また、持ち運びが容易な特長から、避難所や仮設住宅に設置して煮炊きや給湯、暖房など、生活支援に活躍しています。平成7年の阪神・淡路大震災や平成16年に発生した新潟県中越沖地震の際にも供給の途絶えは少なく、他のエネルギーに比べいち早く完全復旧を果たしました。
⇒LPガスはなぜ災害時の復旧が早いの?
①配管が短いため、異常があればすぐに修理が出来る
②1戸単位で安全を確認し復帰可能なため、復旧までの時間が短い
災害に強い最大の理由は、供給形態にあります。LPガスは、1戸ごと個別供給をする「分散型」のエネルギーです。そのため、配管などの供給設備点検も短時間で済み、また、異常があればその場で修理することができ、都市ガスや系統電力に比べて迅速な復旧が可能となります。
・発熱量は都市ガスの約2倍
都市ガスと比較して発熱量が大きく、レストランなど強力な火力が必要とされる場所でも重宝されています。
環境への取り組み
十数年前からオゾン層の破壊や温暖化など複合的な連鎖によって、異常気象による自然災害、砂漠化、不作、飢餓の増大といった兆候がすでに始まっています。フロンガス、二酸化炭素、排気ガスなど、私たちが生み出したさまざまな物質が、実は地球環境を大きく破壊しているのです。地球環境問題はこれからの時代の最優先テーマとして私たちは解決を求められています。
・酸性雨とエネルギー
地球温暖化は温室効果ガス(二酸化炭素)が増加し、地球の温度が上がリ地球全体の気候が変化することによって生態系や農産物に悪影響を及ぼすというものです。
私たちは早急に二酸化炭素の少ないエネルギーに変えていかなければなりません。LPガスは化石燃料の中で燃焼時における二酸化炭素の発生が少ないクリーンエネルギーです。
・オゾン層の破壊をくい止める
酸性雨は、工場や自動車が出す窒素酸化物や硫黄酸化物が酸性の粒子やガスになって雨に取り込まれたものです。酸性雨を防ぐには窒素酸化物や硫黄酸化物をできるだけ排出しないエネルギーを利用することが必要です。LPガスは窒素酸化物や硫黄酸化物だけではなく、煤煙の排出量も少ないクリーンエネルギーとして自動車や工場などで広く使われています。
・自然災害に強い
太陽からの有害な紫外線を吸収するオゾン層は、地上約20kmにあり、このオゾン層が破壊されると皮膚がんなど人体にはっきりとした影響を及ぼします。
オゾン層の破壊のもっとも大きな原因は、ヘアスプレーやエアコン、冷蔵庫などに使われているフロンガス(特定フロン)だといわれています。
現在、排出抑制が国際的に取り決められ代替フロンが使われるようになってきましたが、LPガスは特定フロンに代わる物質としてスプレーなど家庭で幅広く利用されています。